Ⅶ.研修視察を終えて
東京税理士会顧問・訪中団団員 平山 玲
国家税務総局注冊税務師管理中心の趙懐坦団長等が1999年11月4日(木)に本会を訪問した際、本会会長として意見交換した。それから約2年が経過し、今回は団員として本会国際部訪中団研修視察にあたって二つの目的をもって参加した。一つは、2001年8月26日(日)から9月2日(日)まで上海市で開催されたAPEC中小企業会議ミッションに団員として参加し、3日間の国際会議と上海、大連、北京に進出している日本の中小企業の実態をつぶさに視察し、現地で活発な意見交換をした。その中で「日本にいる時は身近に税理士さんがいて、いろいろ相談に乗ってくれたが、現地(中国)では何から何まで自分でやらなければならない。我々企業が中国でこんなに頑張っているんだから先生方も中国へ出てきて下さい」という話があった。我々税理士はサービス業であるから、企業の進出とともに出ていってその責任を果たすのは当然であり、国際部の大きな役割でもあると考え、その可能性を肌で感じたいと思ったからである。
二つ目は、本会と中国国家外国専家局との間で結んだ友好協定を今後実のあるものにするには、これから始まろうとしている中国の税務師制度を肌で感じ、中国の国家税務総局とも直接接触してみたいと考えたからである。
今回の本会国際部の企画はまさに時期を得たものであり、私自身もその目的を充分に果たして満足している。世界の中で日本と中国の関係が一層重要になり、とりわけ中小企業とともに発展してきた税理士は、この期を逃すことなく積極的に海外進出の道を探らなければならない。本会としても組織的な対応が急務であると感じた。